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きっと外さない! 福岡“食べる”観光 ご案内2軒目 蕎麦 和 なごみ

2019.06.03

福岡には九州の素晴らしい食材が集まって、美味しい食事や酒だけでなく、その雰囲気や会話を楽しめる店がたくさん。「食べることが一番の楽しみ」と言われるのも、この街らしい観光のあり方だと感じます。ようこそ、美味しい福岡へ。これから定期的に、私が好きな“笑顔になれる料理店”へご案内します。

Text / Photo トリゴエツヨシ

私たちが暮らす福岡市は、近年「日本で最も活気がある街」と言われるようになりました。人口も150万人を超えて政令指定都市の中でもダントツの増加率。中心部に限らず市内のあちこちで店が増えたり、常に様変わりする風景がいっそう街の勢いを感じさせます。そんな中、巨大な再開発プロジェクトで注目されているのが六本松界隈です。

六本松に和みの空間

写真:外観
▲六本松の1本入った路地にこの灯りが。

2009年に九州大学が伊都キャンパスへ移転した後、再開発が待たれた六本松エリアですが、2017年の秋に福岡市科学館や蔦屋書店、カフェやスーパーなどが入る複合施設『六本松421』が誕生して界隈が一気に華やかになりました。かつての静かな学生街は、若者たちやニューファミリーが集まる“新しいまち”へと姿を変え、その周辺にもおしゃれな飲食店が増えてきました。今回紹介する『和』はその一画で12年、変わらずに美味しい蕎麦と酒を楽しませてくれている、まさに和みのお店。話題の『六本松421』とは油山観光道路を挟んで別ブロック、1本入った落ち着いた路地に店があるため、ちょっと隠れ家的な佇まい。ランチも人気ですがいつも利用させてもらうのは夜。通りに明かりが灯っていれば帰宅前にふらりと一杯、そんな楽しみ方ができる安心の蕎麦屋です。

蕎麦前の楽しみ

写真:ちょい呑みセット
▲本日の「ちょい呑みセット」。「ツブ貝が2つ付けるはずが1つしか残ってなくて、代わりにホタルイカ付けときました」と、嬉しい4品状態に。本当は3品です。
写真:本日のアテ
▲お気軽な一品料理はサクサク、ホクホクの「アジフライ」(400円)と「とり皮串焼き」(580円)をチョイス。

暖簾を潜ればカウンターが6席、テーブルと座敷が14席の、馴染みやすい落ち着いた店内。蕎麦屋で一杯という粋な楽しみも、かしこまらずにするりと実践できてしまう居心地の良さです。「何から行きますか」と、笑顔で優しく迎えてくれるのは店主の宮崎茂豊さん。「最初は“ちょい呑み”をビールで」と私。夏のように暑かった1日の夕暮れはビールでしょ!と、仕事終わりを爽快にスタートします。この店の素敵なところは、酒のアテとなる様々な料理が多いこと。蕎麦屋ならではの揚げ物や出汁巻き玉子、板ワサ、しめ鯖炙りなど、蕎麦を食べる前に酒を楽しむ、いわゆる“蕎麦前”を満喫できる一品が多彩なのです。まず、オーダー始めのタイミングで嬉しいのは「ちょい呑みセット」(1050円)。ドリンクはビール(小瓶)か日本酒、焼酎のグラスから選べて、多彩な料理の中から小皿で3品、日替わりでアテを用意するというセット。〆に蕎麦を食べることを想定しつつ蕎麦屋自慢の一品料理をコンパクトに楽しめる、酒好きにはたまらないメニューです。そして今日のアテにあう酒や好きな料理を追加しながら、蕎麦屋で酒を呑むという時間を楽しんで過ごすのです。程よく小腹が落ち着いたところで蕎麦の香りとツルツルとした喉ごしを味わって店を出る、その一連の流れこそ蕎麦前の楽しみだと、粋な気分を実感できるようになりました。

蕎麦屋と日本酒

写真:日本酒
▲新しく仕入れた日本酒も各地から。
写真:宮崎茂豊さん
▲店主の宮崎さん。お酒の相手もありがとうございます。

そんな蕎麦屋で時を過ごすとき日本酒は欠かせません。『和』は店主の好みに加え、地元はもちろん、全国の銘酒を揃える力の入れようです。日本酒に強い酒屋から美味しくて個性的な日本酒を探して入手するそうで、酒屋の意見も取り入れながら、季節にあわせて日々変わるラインナップも楽しみ。多彩なアテに合わせて酒の銘柄を変えたり、燗酒にして膨らむ香りやまろやかさを味わってみたり、その楽しみ方も幅広く私もこの店でずいぶん酒を学ばせてもらいました。
「これ飲んだことあります?」。ニヤリと宮崎さんが笑いながら新しく仕入れた酒を見せてくると、その場で試飲会ふうな盛り上がりになることも。気取ることなく蕎麦屋で日本酒を楽しむ、そんな大人の嗜みを覚えることができて本当に感謝です。

人を誘う蕎麦屋

写真:蕎麦
▲〆の「もり」(700円)。お腹の具合で「小もり」(550円)にも。主に北海道産の蕎麦粉を使い、喉ごしの良い二八に仕上げます。出汁はカツオとサバで取り、かえしは日田の醤油を使用。そのバランスがお見事。
写真:鴨鍋1
▲誰かを誘いたくなる「鴨鍋」(2人前3500円)。鴨肉は、もも肉とロースの2種類を使用し、出汁と相性バツグン。〆の蕎麦はプラス500円。

一人で足を運ぶことが多い店ですが、家族や仕事仲間とも利用するとまた喜ばれるのが嬉しいところ。多彩にある一品料理はどれを選ぶかも楽しみで、人数が増えると味わえるバラエティも増えていきます。また、〆の蕎麦も「板そば」にすることで2〜3人前を適度に分け合って楽しむことが出来るので、ちょっと粋な飲み会にも最適。そんな利用にぴったりなのが蕎麦屋で楽しむ「鴨鍋」です。クセもなく柔らかい鴨肉を、毎日仕込む蕎麦の出汁で軽く煮込む鴨鍋は、蕎麦屋の懐の深さを実感する鍋料理。甘みあふれる脂が鍋に溶けて、さらに出汁の美味しさが増すので野菜やしいたけとも相性バツグン。最後に蕎麦を投入すれば、絶品の〆となるのです。一人では食べる機会があまりない鍋料理ですが、グループだと蕎麦屋の楽しみ方がさらに広がるからありがたい。これから「鴨しゃぶ」にも力を入れたいと話す宮崎さんに、ますます期待してしまいます。

写真:店内
▲店内は気取らずに温かい。夏には少し改装予定とか。

 賑やかに変わる六本松の一画で、ホッとくつろげる『蕎麦 和』。8月には少し店内を改装して、もっと使い勝手がいいように改装しようと思案中とのこと。落ち着いた風情で一人でも行きやすいまま、もっと多くの人に愛されてほしいと思います。

お店情報

店名蕎麦 和
住所福岡市中央区六本松4-9-25 六本松ハウス1F
電話番号092-771-6116
営業時間11:30〜14:30/11:00〜OS21:00
店休日水曜日
席数20席

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鳥越毅