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福岡情報

きっと外さない! 福岡“食べる”観光 ご案内6軒目 ニューえぶりお

2019.08.26

福岡には九州の素晴らしい食材が集まって、美味しい食事や酒だけでなく、その雰囲気や会話を楽しめる店がたくさん。「食べることが一番の楽しみ」と言われるのも、この街らしい観光のあり方だと感じます。ようこそ、美味しい福岡へ。これから定期的に、私が好きな“笑顔になれる料理店”へご案内します。

Text / Photo トリゴエツヨシ

「大人の女性を連れて行くのに、どこか勝手のいい店知りませんか?」。仕事柄、ときどき聞かれる質問です。先日も山笠仲間の40歳代に同じように聞かれ、最初に思い出したのが春吉にあるこの店。柳橋連合市場のそばにある、少し離れた隠れ家感もいい感じ。気軽に行ける居酒屋のように使えて、上品な料理を出してくれる“大人の食堂”があるのです。

ときめく“お通し”

写真:外観
▲ニューオータニ博多の奥の路地。大きなガラスから灯りが零れる。
写真:外観
▲「うどん」の行灯がいい雰囲気。
写真:様々なお通し

女性が喜んでくれると思う理由は店主の繊細なこだわりの数々です。先にお伝えすると席に座って最初に出される“お通し”で、まずハートをグッと掴みます。飲み物を頼んだばかりのタイミング、まだまだ雰囲気が硬いときに出される多彩な小皿たちが何とも繊細で艶やか。女性との会話を切り出すのにも、“お通し”が大いに後押しをしてくれること間違いありません。この“お通し”は店主の姿勢を客に伝える大切なアプローチ。丁寧な仕事であることはもちろん、季節感や料理のアイデア、店のコンセプトさえも感じさせてくれる鮮やかな序章であり、客にとっては料理をオーダーする楽しみも一気に華やぐ、素敵な加速装置なのです。
この日は「桃のすりながし」「磯ツブ貝の浜茹で」「巨峰の白和え」「秋田のじゅんさい」など全7品が“お通し”に!「桃のすりながし」は初夏らしい桃を使ったジューシーなスープのようだし、「巨峰の白和え」はモッツァレラチーズやマスカルポーネチーズを合わせたフレッシュでコクを楽しむオリジナル。7種の小皿に展開するフルーツや山海の旬を織り交ぜる素材のチョイスも個性的。季節の移り変わりを感じさせる小さな発見もあるし、味付けを控えめに素材の美味しさを引き出す繊細さが魅力です。どの皿にも味わいの工夫やアイデアが隠されているから、キラキラと目を輝かせながら会話も弾んでいくのです。

自慢の魚に季節の天ぷら

写真:店内・太田氏
▲店主の太田さん。創作和食の幅をさらに広げて、カジュアルな展開が潔いです。
写真:店内
▲カウンターで多彩な料理のライヴ感を楽しめます。
写真:天ぷら
▲天ぷらは揚げたてを1つずつ皿に届けるスタイル。旬野菜は熊本の赤ナス(300円)
写真:刺身盛り合わせ
▲この日の刺身は脂が乗った地元のアジやイサキ、肝醤油で楽しむカワハギや姫島の塩水ウニにホタテなど。皿との表現も嬉しい演出に。写真は2人前・3000円。
写真:日本酒
▲日本酒は秋田の夏酒「やまとしずく」を合わせて(グラス500円)。

今年から店のスタイルが新しくなり、店名も『食堂えぶりお』に『ニューえぶりお』を加えたダブルネームに。「やりたいことがずっとあって、より気軽に楽しんでもらえるように」と店主の太田栄次さん。「1Fはカウンターだけです。目の前で見せるライブ感を楽しんで欲しくて」と、新たにメニューに加わったのが天ぷらのメニュー。赤ナス、ゴーヤ、甘鯛、アジなど旬の美味しさも日々変わりながら、しいたけ、アスパラ、車海老、キスなどの定番もずらり。注文ごとに天ぷらを最高のタイミングで目の前に届ける様も粋な演出。熱々でふっくらの揚げたてを「出し」にこだわる天つゆと岩塩・抹茶塩で楽しめます。
そしてこの店で絶対にオーダーしたいのがお刺身。特に盛り合わせは、その日のオススメを美しい皿盛りでいただける自慢の一品。地元の旬の美味しさは、その鮮度を楽しむ厚みも繊細に、また炙りを加えて脂の旨みを引き出すなど、旬魚の美味しさをしっかり楽しめるように手間を惜しみません。その美味しさに声を上げると「僕が魚好きだから美味しく食べてもらいたいんです」と太田さんも満足そう。全国から取り寄せた日本酒と合わせ、ぜひゆっくりと楽しみたいところです。

話題の「うどん」で満足のシメ

写真:うどんおぼろウメ
▲〆に頼んだうどんは「おぼろウメ」(450円)。出しとウメの塩梅が〆にぴったり。

アラカルトで楽しめるメニューも多く、和食の奥深さを居酒屋みたいに楽しめるスタイルが『ニューえぶりお』の嬉しいところ。そして〆にオーダーするのにお腹を空けておきたいのが、既に多くのメディアで話題の「うどん」です。出しを得意とする店主が、かねてからメニューにしたかったという「うどん」は、麺へのこだわりも半端ありません。博多でも讃岐でもない、もちもちとコシがあって粘りがある麺は、地元・福岡の小麦 “チクゴイズミ”をベースに独自にブレンドし、加水率や塩加減を微調整して毎日手作りする自家製麺。出しも、そのもっちり感を活かすために何度となく作り直し、すっきりとしながら旨みあふれるスープが完成。「肉ゴボウ」や夏の「すだちうどん」、また「明太かまたま」などのバラエティに加え、多彩なトッピングも加わりました。しっとりとお酒を楽しんだ後も、この「うどん」で〆るというのが新たなスタイルになったのです。

人気の「うどん」はランチにも登場。天ぷらとセットなど昼から楽しめる他、赤坂には『うどん おおた』という名前で、うどん居酒屋も展開中。その美味しさをカジュアル路線で広く伝えるようになった『ニューえぶりお』は、うどん好きを和食に気付かせるような、いい意味で逆パターンも起こしそう。春吉の路地で元気を灯す街角に、今日も多くの人影を覗くことができそうです。

お店情報

店名ニューえぶりお
住所福岡市中央区春吉1-6-13 1F
電話番号090-4778-0852
営業時間11:45〜14:30/18:00〜OS22:00
店休日火曜・第2月曜
席数14席(1F)
*2Fは『食堂えぶりお』として営業

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鳥越毅