指導のすすめ
2018.11.06先日、公認指導員養成講習会へ参加してきました。
公認指導員養成講習会とは、指導員を養成する講習会で、細かい事はまだ学習中なのでわかりませんが、学童を中心に指導できるようになったりするようです。
公認指導員養成講習会はスポーツの指導ができるようになるための講習なのですが、今回受講した種目としては軟式野球の指導員です。
初日となった2018年11月3日は南筑高校野球場にて南筑高校野球部のご協力の元、開催されました。
実際に南筑高校野球部の練習に沿って、指導者になるための指導を行っていただくもので、初日となったこの日に感じた事をまとめ、アウトプットしておきたいと思います。
スポーツ指導者講習会ではどんな事をやるのか興味がある方の参考になれば幸いです。
目次
私が受講した理由
軟式野球の指導員になれる講習でもあると同時に、国体の社会人軟式野球大会へ出場するための予選からこの講習が必要だったりするようです。
私が所属する軟式草野球チームHEATももしかすると来年以降国体を目指すかもしれないという事で、講習を受けるように動き出しました。
初日となったこの日は、
選手協力として、
- 南筑高校野球部員
- 野球部長
- 副部長
講師として、
- 元プロ野球選手である伊藤久敏さん(中日ドラゴンズから太平洋クラブライオンズ)
- 土井雅明さん
と一緒にウォーミングアップから一緒でした。
一日のメニューとしては、
- アップ
- ベースランニング
- ノック
- 昼飯
- トスバッティング
- ストレッチ
- 体幹トレーニング
- 投手の育て方
1つずつ思い出しながら書いてまいります。
体を動かしながらモチベーションを上げるアップ
ダッシュでは選手同士がハイタッチなどをしテンション上げている様子がうかがえました。
バレーボールの得点後まではいきませんが、プロ野球選手がホームランを打った自軍ベンチ前くらいの感じです。
選手のテンションを上げる一環かと思います。
楽しそうでした、いいですよね。
リズムトレーニングを取り入れてありました。
私は知らなかったのですが、スポーツリズムトレーニング協会なるものが存在しますし、南筑高校野球部長も資格を取得し指導に取り入れているようです。
野球で守備の際にゴロを取るにしても、バッティングでボールを打つにしてもリズム感は大切ですので、非常に興味がわきます。
私が行うとはぁはぁとすぐ息が上がってしまいそうな連続運動なのですが、見ていると選手が楽しそうに取り組んでいるのが印象的でした。
体操やアップメニューでは、肩甲骨と股関節の連動といったことを意識し組んでいるようです。
確かに、野球では大切な動きをする関節の2つです。
理にかなっている!
あえて序盤のベースランニング
アップで体を温め、一番走るパフォーマンスを発揮できる状態でベースの回り方を体に覚えさせるので、練習メニューでは序盤にする事が多いそうです。
さみしさを感じたノック
リズムトレーニングの影響かテンポよくノッカーが打球を打ち出します。
私くらいではノック自体に対した問題はみつけきれませんでしたが、選手ではなくコーチの声が1番大きい、と感じました。
私は甲子園で勝つことを目標にしたチームで高校生活を過ごしました。
甲子園の観客が入っていても届く声の出し方というのを意識し、声を出していた記憶があります。
出させられていた、のかもしれませんが…
南筑高校野球部のチーム目標などは聞いておりませんが、私個人の意見としては、勝つために選手はできる限りの声量で声を出す方が、勝つ確率が上がるような気がしています。
- 地方大会1勝
- 県大会出場
- 甲子園優勝
など目指すところによって声の出し方に対する取り組みは変わるのかもしれません。
甲子園を目指す夏の大会では注目度もありますし、勝てば勝つほど観客が増えます。
昼食後の2次アップ
朝のアップをやりなおすと時間もかかりますし、アップの時短の為に取り入れていたのがトスバッティングです。
トスバッティングとは、2人1組で5~9メートルくらいの距離を取り、投げ手と打ち手に別れ、投げ手が投げたボールを打ち手がワンバウンドで打ち返す、バットコントロールと守備の練習がセットになった練習方法の1つです。
投げ手側は腰を落としてゴロを捕球するので体全体が温まります。
軽くとはいえ投球もするので、肩回りも温まります。
打ち手は軽くではあるのですがバットを振りますので、腰回りの捻転、上半身やひざの柔軟性を上げる事ができます。
トスバッティングの後は、ここから野球部員と受講者は別メニューとなりました。
私たちは一人でできるストレッチと体幹トレーニングです。
これは一つひとつ説明すると長いので割愛です。
現代野球部の指導の実情『やらされる』から『やる』へ
私たちが高校生のころと比べ、伝え方が変わったと講師の方からお話しいただきました。
具体的には、頬を平手打ちする、いわゆるビンタや、正座、ただずっと立たせる、そういった類のものは全くもって無いそうです。
確かに野球上手くなるのに必要ないですもんね。
指導者の威厳とかは使えない、そんなものはそもそもないそうです。
今は選手の『機嫌を取る』(すみません、言い方に少し語弊があるかもしれません。)ことが大切で、いかにやる気を出させるかに尽きるそうです。
選手も人間だし、不機嫌な時もあるかと思いますが、そんな時にモチベーションが上がる準備を日頃からしているメニューになっているのだと思いました。
高校生たちには社会に出て、当たり前の受け答えができるようになればいい、と思いますので、教育の過程で過剰な上下関係は不要ですね。
理不尽な上下関係を押し付けない事により、権力に臆せず自分の意見が言える、ただのイエスマンではない、ノーと言える自主性を持った野球部出身の日本人が増えるのではないでしょうか。
軍隊時代の名残があるのはわかりますが、体罰を無くそうとする世の中の流れが正しいと思います。
私たちが高校生のころは殴られる事もありました。
今となっては、それはそれで思い出です。
いい経験とまでは言いませんが、体験としてはプラスにしていきたいとは思います。
しかし痛い経験や同じ思いを若い世代にしてほしいとは思いません。
早くスポーツ界からムダな体罰がなくなればいいですね。
怒るという事、怒られるという事
まず怒られる時の心の持ち方ですが、
『注意されたり怒られたりするときは、見込みがあるとみられている時』と捉えましょうとの事です。
怒られている時はへこみますが、考え方次第では、次のチャンスがあると同時に伝えてもらっているので、ポジティブに捉えましょう。
逆に怒る時は、感情に任せ暴言を吐いても無駄なので、愛情をもって伝える方法を考えよう、との事でした。
指導者だけでなく、日常生活や社会生活でもそうだなぁっと思います。
田川高校3番手投手、久留米大学エース、社会人野球へ
この日は特別に講師である伊藤久敏さんの教え子である、今年大学4回生の選手を呼んでいただきました。
サッカー日本代表の長友選手を彷彿とさせるキャリアですよね。
高校時代は3、4番手だったので試合で投げる機会はほぼなかったそうです。
そんな投手が久留米大学ではリーグ記録を塗り替えんばかりのエースとなります。
2019年春には狭き門の社会人野球へ挑戦し、プロ野球を目指すみたいでご活躍が楽しみです。
話しを聞くと頑張っても120キロしかでなかった高校時代、大学入学時には何もかも変えるべきだ、と自覚しトレーニング方法、心構え、環境、何もかもを変えたそうです。
結果、大学3年になるころには150キロに近い速球を投げられるようになりエース格として頼られる存在になっていったみたいなのですが、まず誰よりも練習されたと思います。
硬式野球経験者の私でも想像できないくらいの努力だと思います。
こういった選手を育てる事ができれば指導者冥利に尽きるのではないでしょうか。
色々と学んだ1日でしたが、今後も人生で活かせそうな最も印象に残ったのは、『褒めた後に注意する』ということです。
「スイングが悪いから残って練習しろっ!」
では言い方としてダメで、
「いいね、力強いスイングをしている、バットの軌道を変えた場合は同じように力を入れて振れるか?」
と相手に気づかせる言い回しが必要なんです、との事でした。
私も仕事では、ストレートに悪いところだけを伝える事が多いので、気づかせる言い回しができるように気を付けます!
2日目以降はまた別の記事にてレポートをお伝えしまーす。
古川 学