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福岡情報

きっと外さない! 福岡“食べる”観光 ご案内1軒目 赤坂こみかん

2019.05.20

福岡には九州の素晴らしい食材が集まって、美味しい食事や酒だけでなく、その雰囲気や会話を楽しめる店がたくさん。「食べることが一番の楽しみ」と言われるのも、この街らしい観光のあり方だと感じます。ようこそ、美味しい福岡へ。
これから定期的に、私が好きな“笑顔になれる料理店”へご案内します。

Text / Photo トリゴエツヨシ

福岡の自慢は大人の居酒屋が多いこと。新鮮な魚や名物料理をアテにして酒を楽しむ、居心地のいい店ばかりです。繊細な料理は、割烹や旅館のような美味しさを満喫できるのに居酒屋価格。客とスタッフの賑やかな活気も心地よく、いい時間を過ごせる店たちです。

いい店は“一つ目小町”にあり

街の楽しみ方として、よく私が思うのが“一つ目小町”です。街の中心地から駅一つ離れた界隈に個性的な店が生まれることが多く、天神を中心とすれば地下鉄の赤坂駅や西鉄薬院駅あたりがまさにそれ。
中心地は放っておいてもたくさんの店ができますが、多くの人に合わせようと最大公約数的な内容になりがち。わざわざ足を運んでもらう場所であれば、個性があるからこそ店が成り立つというわけです。自分が好きな何かがある、少し離れても行きたくなる店って、やっぱり魅力的なんです。

写真:大将
▲パワフルな大将・末安さん。その元気と細やかな気遣いが誰にでも届けられます。

「あー、トリゴエさん。いらっしゃい!」

戸を開けて顔を見せると、元気な声で大将・末安拓朗さんとスタッフが迎えてくれます。皆さんすごくホッとする笑顔。私はいつも一人で行くことが多いのですが、席に着いて早々「来て良かった」と感じるこの心地よさ。誰かを連れて来ても、きっと喜んでもらえるだろうと思える絶対の安心感です。そしてここからがこの店の本領発揮。その魅力を、もう少しお伝えしましょう。

コの字劇場

写真:外観

『赤坂こみかん』は赤坂の交差点から大正通沿いに南へ200メートルほど。通りに面したマンションの1階に、黒い焼き杉に白木の格子戸が印象的な和風モダンな外観です。みかんを描いた白地の暖簾が17時に掛けられると開店を知らせます。暖簾を潜って店へ入れば、調理場を囲むコの字型のカウンターが開放的。魚を捌く板場や天ぷらの揚げ場を目の前に、腕を振るう皆さんと会話ができてライブ感たっぷりの中で料理と酒を楽しめる。こんな明るい雰囲気が気持ちをウキウキさせてくれるのです。

写真:おいなり
▲お通しは「あったかおいなり」。山わさびは出す直前に剃りおろす。

最初に出されるのは「あったかおいなり」(300円)。 まずはご飯を少しお腹に入れることで悪酔いしないようにという思いやりのお通しで、蒸した小ぶりのおいなりに山わさびを剃って出されます。温かくて甘いおいなりに爽やかな辛みが心地よく、ホッとさせてくれる一品からスタートです。

名物も旬の素材も店自慢

写真:呉豆腐
▲呉豆腐はハーフサイズにしてもらえる。唐津の地酒「万齢」と一緒に。

続いて卓上の板に書かれた本日のメニューを拝見。とりあえず頼みたいのは、豆乳に葛を入れて手作りする名物「呉豆腐」(600円)。コクがあって温かく、モチモチの食感が上品な一品。早々に日本酒を飲みたくなります。

写真:刺身の盛り合わせ
▲刺身の盛り合せ。美しく、一品ごとの小さな仕込みが嬉しい。醤油を刷毛で塗り、どうぞ。
写真:天ぷら
▲天ぷらは出汁を効かせた天つゆか、粗塩、海老塩、カレー塩をお好みで。

そして刺身や天ぷらには季節を感じさせる旬の素材の名前が並びます。玄界灘はアジやサバ、やりいかや天然鯛の絶好の漁場。対馬の穴子も外せません。日によって仕入れが違いますが「刺身盛り合せ」(1人前1,200円+ウニ乗せ300円)は、ぜひオーダーを。鯨のウネも並び、マグロの赤身は握りで添えられて満足感もたっぷりです。ゆっくりと魚を楽しんだら、次に揚げたてを楽しめる天ぷらを。ぷりっと美味しさが弾ける「車海老」、ピーマンに牡蠣を挟んだ遊び心が話題の「カキピー」などの人気メニューに加え、日々変わる旬の野菜や地物も多彩。酒を嗜みながら何を揚げるか選ぶのも楽しい時間となるのです。

写真:いくら丼
▲頑張ったご褒美に、おくどごはんを「いくら丼」へアレンジ。
写真:本日のメニュー
▲本日の天ぷらネタには、夏の大川でしか獲れない「えつ」の名も。

そして『赤坂こみかん』を満喫するなら「おくどさんで炊いた白ごはん」(300円)は外せません。「炊けましたー!」の声とともに土鍋から湯気を上げる炊きたてのごはんが食欲をそそります。このとき、メニューにさりげなく書かれた「いくら丼でき〼」の文字を見逃さないで。白ごはんを覆うたっぷりのいくらが鮮やかすぎ!贅沢な〆を味わえば幸せになれること間違いなしです。

店は人なり

写真:店長の岩本
▲店長の岩本さん。いつもおだやかな笑顔で迎えてくれます。

「長かったのか、あっという間だったのか。もう1年なんですよ」。お通しを出しながらいつもどおりの笑顔で迎えてくれる店長の岩本航太さん。大将がいないときもしっかりと、この店を明るくまとめています。料理長もスタッフの誰もが笑顔で、気軽に声をかけてくれる美味しい居酒屋。味わいの満足はもちろん、美味しい酒を呑ませてもらっていると実感する居心地の良さは、客の一人ひとりに心遣いが届いているスタッフの人となりだとよくわかります。

写真:飴

帰り間際、店の外まで見送る店長が口直しにくれた一粒の飴。みかん味を舐め終わるときには「次、いつ行こうか」と思うほど、予約がとれない理由も納得する人気店。早めの予約をするか、急に行きたくなったら狙い目は開店直後の17時。いま福岡の食を語るに外せない一軒へ、ぜひどうぞ。

お店情報

店名赤坂こみかん
住所福岡市中央区大名1-7-10 ワコウハイツ1F
電話番号092-734-3090
営業時間17:00〜OS24:00
店休日日曜日
席数24席

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鳥越毅